「酒は純米、燗ならなお良し」川西屋酒造さん訪問記~後編~

2016.3.30

2週間ほど跨いでしまいましたが、川西屋さん訪問記、ようやく完結編です。
中編でレポートした利き酒タイムは工場長の超絶テクニック燗酒講座により佳境を迎えました。

…ではここで改めて、燗酒の魅力について語りたいと思います。
まずは具体的なところから。

【温めたお酒は吸収されやすく、悪酔いしない】
アルコールは体と同じ温度になって初めて吸収されます。そのため冷酒はすぐに吸収されないためスイスイ飲めてしまいますが、気付かずガブガブ飲むと1~2時間後に一気に吸収が始まり、悪酔いしてしまう恐れが有ります。
一方、温めたお酒はすぐに吸収・分解され、すぐに酔いがまわるため、自分のペースを把握しながら飲むことができ、飲みすぎる心配が有りません。

「熱燗は酔いがまわりやすい」ということが悪い意味で言われることが多いですが、実はこれが良いんです!!
(ちなみに私自身、燗酒で二日酔いになったことがありません。たぶん・・・笑)

というのはまず第一に言えることです!!

体を温めてくれる点も、女子にはうれしいですよね。
燗酒飲んで冷え性改善と銘打ち、どんどん飲んじゃいましょう!(もちろん、ほどほどに笑)

※写真不足のため、山本洋子様のお写真を何点か拝借しております。

そして、個人的な観点から申しますと…

【温度の違いによって、味わいの幅が広がる!】
今まで冷酒オンリーで飲んできた日本酒も、実は温めたら美味しいかも!?
川西屋さんの場合は温めて美味しくなることを想定して味を設計されていますが、作り手が意図せずも温めたら美味しくなるお酒も有ったりします。いろいろ実験してみましょう!

燗酒研究で、目指せリケジョ!!!

ちなみに、それぞれの温度帯によって名前が付いているのをご存知ですか?
一口にお燗、燗酒といっても、実は温度によって呼び方が変わります。

50度~55度:熱燗
45度~50度:上燗
40度~45度:ぬる燗
35度~40度:ひと肌燗

これほど細かい温度帯で呼び名を変えてしまうのが日本人らしいですよね。

そして最近ひしひし感じることが・・・
【燗をつける人によって味が変わる!】
これぞ燗酒の面白さでは。

誰がどのようにして温めるかによって、味が全く違ったりもするんです。
まず大前提として、日本酒を燗にするときは湯煎がベストです!レンチンしたお酒と湯煎でじっくり温めたお酒は別物です。
電子レンジは分子同士を摩擦させることによって温めるので、そもそも温める原理が違い、また急速に温めることで嫌なアルコール臭が発生する原因になり、温めにムラも生じます。

…ということで、じっくり温める湯煎が一番なのですが、工場長のようないわゆる「お燗名人」と呼ばれる方がつけたお燗はそれは格別!!

では、利き酒タイムに話を戻します。

中編では、チロリと徳利で何度もデカンタージュする「スフレ燗」をお伝えしましたが、なんとお次に繰り出したのは「ローリングとびん燗」!!

どんどん繰り出される必殺技にたじたじ。

大きなとびんに秀峰を入れ、酒燗器の中でぐるぐる回します。スフレのように空気を含ませるのではなく、ナチュラルに空気に触れさせる手法ですね。
うーん、楽しいし、しみじみ美味しい!!

一升瓶の底こそ美味しい丹沢山。
なんと今回、抜栓したての麗峰と抜栓後1週間が経過した麗峰を飲み比べさせて頂きました!!

あー、なるほどー!!
蔵人さんがおっしゃる通り、抜栓したての麗峰は、恥ずかしがり屋さん。
熟成期間が長いからこそなのか、まだまだ味が閉じてる。冬眠状態のような感じです。

1週間後の方は、口当たりと香りが違います。
「あ、これぞ麗峰」といった感じ。浸れます…

そしてまだまだこれだけでは終わりません!!

〜川西屋さんの三羽烏〜

麗峰は60度以上までガツンと上げる分、40度程度の燗冷ましもまた一興なのですが、なんと徐々に下げるのではなく、急冷すると、また違った味わいに変化するのです!!

はい、お次は「急冷燗」!!
あ~、くらくら。

冷まし方で味が変わるものか?と疑ってかかりましたが…えー!!違う!!

旨み甘みが際立ち、とっても美味しい!
お出汁を飲むような感覚で、あら不思議。
わたし、これ大好きでした!!

そしてこれぞ、川西屋さんが提唱する「夏酒」だそう。
くう~!!粋ですね~!!

〜蔵の周りの景色〜

と、まだまだ語り尽くせないところではございますが、ご興味を持たれた方は、是非なにかの機会で蔵に行かれるか(一般の蔵見学はされていません。)情熱を持って川西屋さんのお酒を提供されている飲食店さんに行かれるなどして、魅惑の燗酒ワールドを経験してみてください。
私も大好きな飲食店さんは下記リンクの通りです。
(コメントは私が書きました。)

東中野 更科丸屋
酒造りまで手伝うほど、川西屋さんとは強い絆で結ばれている、お蕎麦と日本酒のお店。
お通しで燗酒が出てくるなど、燗酒への思いがとにかく強い!
もちろん盃は「酒は純米、燗ならなおよし」の言葉入りの平杯です。
神田 めろうや田(DEN)
神田新八で修行したご主人の営む、燗上がりするお酒のラインナップが素晴らしく、お料理がとても美味しいお店です。
名物じゃこ天は必食!!
若水 (京都)
関西圏で丹沢山を豊富に取り揃えているのは恐らく若水さんだけでは。
良い意味で変態なお店です。
遠方にも関わらず必ず毎年蔵にいらっしゃるそう。
ご主人は大のサッカーファン。

そして蔵訪問当日は、初めて蔵元様にもお会いさせて頂きました!!

お料理と丹沢山とのマリアージュについて教えて頂きました。
露木社長オススメの小田原の「てんしろう寿司」、一度行ってみたいものです…。
脂の乗った太刀魚のお刺身にすだちをチョロっと垂らして丹沢山と一緒に頂けば、ふわっと膨らみスパッと切れるのだとか。
お話だけでも垂涎必至のマリアージュでした。

そしてなんと、最後のじゃんけん大会で隆Tシャツを頂いてしまいました!!

前掛けを賭けたジャンケンは負けてしまい、Tシャツこそはと想い渾身の力を込めてグーを出したところ、なんと20名近くいらっしゃる中で一発勝利!!!

強く願えば望みは叶う!!
持ってる女はここが違う!!(出典:酔いどれんぬ様)

川西屋さん、そして企画して下さった山本洋子様、朝日カルチャー事務局の方、本当にありがとうございました!!

kajin09

TOKYO

フードコーディネーター

真野遥

好きな日本酒の銘柄:丹沢山、風の森、若波、伯楽星、日高見、早瀬浦、会津娘、天狗舞、天の戸、不老泉etc

お酒大好きフードコーディネーター。 祐成陽子クッキングアートセミナー卒業。 最近のテーマである「出汁と日本酒」を基軸に、レシピ提案やフードコーディネート、ケータリング等で活動中。 有楽町の「后バー有楽」月曜女将。 まだまだ勉強中の身ではありますが、日本酒の魅力や食器・酒器、日本酒に合うの料理のレシピなどを沢山ご紹介していけたらと思います!

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